After lunch


4時間目の授業が終わり、待ちに待った昼休みが始まる。
「なぁ、みんな今日はメシどこで食う?」
「あ、ゴメン。俺今日は彼女と中庭でお弁当食べる約束してるんだ〜」
充の問いかけに、博が顔を緩ませながら答えた。
博は最近彼女が出来たばかりで、今が幸せ絶頂期なのだ。
「へぇ、博ラブラブじゃん」
「お弁当も彼女の手作りなんだよね。楽しみ〜」
竜平に突かれて、更に顔がだらしなく緩む博。
「竜平は?」
「あ、俺もパス。お姉サマがランチご馳走してくれるって言うから、今日はもう戻んねぇ」
「そっか。お前社会人の彼女が出来たって言ってたよな」
「そう! デパガなんだぜー。今日は定休日だから一日ゆっくり出来るし、すっげー楽しみv」
ランチをご馳走になった後、そのお姉サマ自身もご馳走になる事を考えているのか、竜平は厭らしい笑みを浮かべていた。
「そういやヅキは?」
ヅキが席にいない事に気付き、充はキョロキョロと教室内を見回した。
「あ、ヅキは三村を追っかけてどっか行っちゃったよ。お気の毒だね…」
苦笑しながら博が答える。
「充、俺は弁当を持って来ているから、一緒に食べないか?」
今まで三人のやり取りを黙って聞いていた桐山が口を開いた。
「それじゃ二人で食べよっか。屋上でも行く?」
「どこでも構わないよ」
「なら屋上に行こうぜ。今日は天気もいいし」
「ああ」
「あ、それじゃ充、俺もう行くねー」
「俺も。センセーには適当に誤魔化しといて」
「おぅ、お前ら頑張れよ!」
充は嬉しそうな顔で教室を出て行く二人を見送った。
「そうだ。俺、購買にパン買いに行くからボスは先に行っててよ。給水塔の上で待ってて」
「分かった」
「ついでに何か飲み物買ってくるよ。何がいい?」
「何でもいいよ。充に任せる」
「じゃ、お茶か何か買ってくるよ」
こんな会話を交わしながら二人で教室を出た後、桐山は屋上、充は購買部へと向かった。
昼休みが始まってすぐだったので、購買部はまるでバーゲンセールの会場の様な状態になっていたが、
何とかすぐに売り切れてしまう人気No.1のコロッケサンドをゲット。
ベーコンエッグロールとコーヒー牛乳、桐山の分の冷たい緑茶も買って、充は急いで屋上に向かった。
こんな天気のいい日は屋上にたくさんの生徒が溢れ返っていそうなものだが、桐山ファミリーが溜まり場にしている所為か、
屋上に近付く者は殆どいなかった。
今日も屋上にはいつも通り誰もいなかった。
久し振りに校内で桐山と二人きりになれたのだから、充にとっては好都合だったが。
パンと飲み物が入ったビニール袋を口に咥え、給水塔の梯子を登る。
先に来ていた桐山は弁当には手をつけず、ぼんやりと空を眺めていた。
「ボス、お待たせ」
袋の中から緑茶を取り出して桐山に手渡す。
「ありがとう。早かったな」
「ボスを待たせてるから、急いで行って来たよ。先に弁当食べてても良かったのに」
「いや、充が来てから食べたかったからいいんだ」
「そっか…じゃ、早速食べようぜ!」
桐山の隣に腰を下ろし、どちらのパンを先に食べようかちょっと迷った末、ベーコンエッグロールとコーヒー牛乳を袋から取り出した。
桐山も弁当の包みを開けている。
「いただきまーす!」
「いただきます」
充はベーコンエッグロールに齧り付いた。
桐山は箸で野菜の煮物を掴み、それを口に運ぶ。
空腹だった為、二人はしばらく無言で昼食を味わっていた。
ベーコンエッグロールを食べ終えた充は、コーヒー牛乳のストローを咥えながら桐山の方をチラリと見る。
ガツガツとパンを貪り食っていた自分とは違い、少しずつ上品に弁当を食べている。
桐山の持ってきた弁当は、まるでテレビや雑誌でしか見た事のない、高級料亭の懐石弁当と同じくらい豪勢だった。
彩とりどりのオカズが重箱の中に少しずつ収められている。
「ん? どうした? 俺の顔に何かついているか?」
視線を感じた桐山は、手を止めて充の方を向く。
「あ、いや…ボスの弁当美味しそうだなーって思って」
「食べかけだが、それでも良ければ食べるかい?」
「えっ!? いいよ! ボスの分がなくなっちまう」
充は慌てて首を横に振った。
「それなら、充のパンを俺にくれないか? 交換ならお互い食べる分がなくなる心配をしなくて済むだろう」
「でも…交換するには差があり過ぎてボスが損しちゃうよ?」
「いいんだ。俺はいつでもこの弁当を食べられるし、充が好きだと言うパンを食べてみたいと思ったんだ」
「ボスがそう言うなら…お言葉に甘えちゃおうかな」
久し振りに手に入れた好物のコロッケサンドも捨て難かったが、桐山の弁当を食べられる機会は滅多にない。
充はビニール袋からコロッケサンドを取り出すと、それを桐山に手渡した。
「はい、ボス。このコロッケサンド、すっげー美味しいんだぜ。俺のオススメ」
「そうか…ありがとう」
桐山はコロッケサンドを受け取ると、何故かすぐに食べずに弁当を包んでいた布の上に置いた。
「あれ? 食べないの?」
「俺は後でいい。それより充はどれから食べたいんだ?」
「うーん…じゃ、卵焼き」
弁当の定番と言ったらやっぱ卵焼きだろ、と思いつつ充はそれを指差した。
「卵焼きだな…」
充の指差した卵焼きを箸で掴むと、それを充の口元に差し出した。
てっきり弁当箱ごと渡されるのかと思っていた充は面食らってしまった。
「どうした? 食べないのか?」
「自分で食べられるからいいよ。ボスがパン食べられなくなっちまうし…」
「俺の事は気にするな。ほら」
「え、でも…」
「………あーんして、と言えば良かったのかな? こういう時は」
桐山の言葉を聞いて充の顔が真っ赤になる。
桐山の口からそんな言葉が聞けるとは思わなかったし、何よりカップルみたいで照れ臭かった。
「違うのかい?」
「違わないけど、でもそんな言葉どこで…」
「充、あーんして」
充の言葉を遮る様に、棒読みで言うと桐山はもう一度充の口元に卵焼きを差し出した。
「あ、あーん…」
このままだと、自分が食べるまで桐山がパンの方に手をつけなさそうな気がした充は、照れながらも口を開けて卵焼きを
食べさせて貰った。
最初は恥ずかしさの方が勝っていて味なんて分からなかったが、咀嚼している内に落ち着いたのか、口の中に上品な味わいが
広がっていくのを感じた。
母親が作るただ甘いだけの卵焼きと違い、だしの味がしっかりと効いている。
栄養面を考慮して入れられたのだと思われる、細かく刻んだ野菜も噛んだ時のちょっとしたアクセントになっていた。
「美味しいか?」
「うん、メチャクチャ美味しい! こんな卵焼き初めて食ったよ」
「そうか…次は何がいい?」
「それよりボスもパン食べなよ。食べさせてくれるのは嬉しいけど、ボスが食べる時間なくなっちゃうよ?」
「いいんだ。俺は後ででも。それより次は何が食べたい?」
こんな調子で、結局残りのおかず全てを充は桐山に食べさせて貰った。
どれも今まで味わった事がない、とても美味しい物ばかりだった。
「ごちそうさま。ホント、どれも美味しかったよ。ボス、いつもそんないい物食ってんだな」
「いい物なのかどうかは分からないが…充が美味しいと思ってくれたのならそれでいい。
それより、デザートもあるんだが…食べるかい?」
空になった弁当箱を布で包み直しながら桐山が言った。
「えっ? デザートもあんの? さすが、ボスん家の弁当は豪勢だな。ボスがいいなら食べたいな」
「分かった…」
桐山は弁当箱と未だに手を付けていないコロッケサンドを退けると、充の方を向いて正座した。
そして目を閉じて唇を突き出す様にして上を向く。
ここまでされたらデザートは桐山のキスだという事は誰の目から見ても明確だ。
余りにも予想外の桐山の行動に、充の頭の中は真っ白になっていた。
本来なら喜んで飛びつく程オイシイシチュエーションだが、何故桐山がこんな事をするのか、こんな事をどこで覚えてきたのか、様々な疑問が頭の中でグルグル回っていた。
どうしたものかと充が桐山をじっと見つめていると、充が何もしないのを疑問に思ったのか、桐山が片目を開く。
いきなり目が合ってビクッとしている充に
『デザート、いらないのかい?』
と視線で語りかけ、桐山は再び目を閉じた。
そして、まるで催促するかの様に、更に唇を突き出したのだった。
「ホントにいいの?」
据え膳喰わぬは男の恥だが、つい確認を取ってしまう。
桐山は何も言わずコクンと頷く。
充はもう少し桐山に近付いて、自分に向けられているその端麗な顔を見つめた。

ボス、すっげー可愛い…
こんな事考えてるって知ったら怒られるかもしんないけど、女の子みたい…ホント、可愛い。

桐山の顔を見ているだけで、ドキドキと胸が高鳴っていた。
充は桐山に気付かれない様にそっと股間を押さえる。


ヤバ…ボスがあんまり可愛いから勃っちゃった…
ボスの顔見てるだけで勃っちゃうなんて、俺ってサイテー…

何とかいきり立ってしまった自身を抑え込むと、充は桐山の顔を両手で包む様に掴んだ。
「い、いただきます」
チュ、と軽く触れるだけのキスをして、充はすぐにパッと桐山から手を離した。
これ以上したら、理性が吹っ飛んで桐山をムリヤリ犯してしまいそうだった。
今の自分の顔を見られたくなくて、充は体育座りをすると膝の上に顔を伏せた。
目を開けた桐山は、蹲っている充を見て首を傾げると、隣に座り直してコロッケサンドを手に取った。
ビニールを剥いで中身を取り出すと、パクリとそれに齧りつく。
「…美味いな」
桐山がそう呟くと、充は少しだけ顔を上げて桐山の方をチラリと見た。
桐山は何事もなかった様にパクパクとコロッケサンドを食べている。
こんなにも興奮しているのが自分だけだと知って、充はますます自己嫌悪に陥った。
しかし、一度反応した性欲旺盛な中学生男子の象徴は、そう簡単に治まってはくれない。
頭の中には先程の唇を突き出す桐山の顔が浮かんで消える事はなかった。
いけない妄想を振り払うように、充はブルブルと頭を左右に振って顔を上げた。
「どうした?」
コロッケサンドを食べ終えた桐山が、先程から自分には理解不能な行動を取っている充に声をかける。
「な、何でもないよっ」
慌てて目を逸らそうとするが、桐山の口の端にソースがついてしまっているのに気付き、充は無意識の内に片手で
桐山の頬に触れた。
そして、口の端についているソースをペロ、と舌で拭う。
そのまま唇にも少しだけ舌を這わせた。
「なぁ、ボス。デザートってキスだけ?」
「…もっと食べたいのか?」
「ボスがいいなら…もっと食べたいな」
「構わないよ」
「いいの? じゃあさ、さっきのもっかいやって」
「目を閉じて上を向くのをか?」
「そう、それ」
「分かった」
桐山は先程のように充の方を向いて正座をし、唇を突き出すように上を向いた。

あー…やっぱボス可愛い。
ボスにそんな気はなかっただろうし、凄く大切に想ってるボスにこんなすぐ欲情するなんて、俺ってホントサイテーだ。
でも、サイテーでもいい。
もう…もう我慢出来ない!

充は桐山を強く抱き締め、荒々しく唇を重ねた。
その荒っぽさに少し驚いた桐山だったが、充の腕の中で大人しく充の唇を受け止める。
何度か唇を重ねた後、唇を割って口内に舌を侵入させる。
桐山の口内は先程舐め取ったソースと同じ味がした。
ソースの味が唾液の味に打ち消されるまで、何度も舌を激しく絡み合わせる。
唇を離す頃には、二人の舌と舌の間には光る糸のような橋が架かっていた。
充はその場に腰を下ろし、桐山を自分の膝の上に座らせる。
そして、後ろからギュッとその細い体を抱き締めた。
「ボス…大好き」
桐山は答えなかったが、代わりに自分の体を抱き締める充の腕にそっと自分の手を添えた。
充はその反応だけで十分満足だった。
桐山の体を抱き締めていた腕の力を緩め、そのままプチプチと桐山のシャツのボタンを外していく。
前を開き、黒のタンクトップの上から両手で桐山の胸を揉んだ。
女性の胸を揉んでいる時のような揉み応えは当然なかったが、初めて胸を揉まれ驚き戸惑いながら体を捩らせる桐山が可愛くて、優しくマッサージするように何度も揉んだ。
その内、両方の手の平にポツ、と一点だけ硬く膨らんだ部分を感じる。
今度はその硬い部分だけを指の腹で揉むように愛撫した。
「ボスのココ、コリコリしてる…」
「ふぁ…や…充…」
「何でココ、こんなに硬くなっちゃってるの? ボス、男だよね? 男なのにおっぱい感じるの?」
爪で引っ掻くようにカリカリッと愛撫すると、桐山の体が膝の上で何度も跳ねた。
「跳ねちゃうくらい感じるんだ…ココ、どうなってるか見せてね」
タンクトップの裾を掴み、胸の上まで捲り上げる。
桐山の桜の蕾の様な胸の突起は充の愛撫によって硬度を増し、ピン、と突き出ていた。
「乳首勃っちゃってるね。そんなに良かった?」
その硬くなった部分の表面を擦るように撫でると、桐山の体が微かに震えた。
「ここ、ピンク色で凄く可愛い…」
「ぅん…みつ…あっ…」
耳元で囁いた後、形をなぞる様に桐山の耳に舌を這わせると、白く透ける様な肌が薄らと赤みを帯びてくる。
桐山の反応がなかなかのものだったので、胸と同様に耳にも甘噛みしたりねっとり舌を這わせたり、たっぷりと刺激を与えた。
その内桐山が股間を押さえてモゾモゾし始める。
「充…」
「どうしたの? ボス」
「ズボン、脱ぎたいんだが…」
「もしかして、そっちもおっきくなっちゃって苦しくなってきた?」
「ああ、だから…」
「でも、誰か来ちゃったらどうするの? 屋上の鍵閉めて来なかったよ」
「大丈夫だ…もうすぐ授業が始まるから誰も来ないよ」
「そんなの分かんないよー? ボスのエッチな姿、見られちゃうかも」
「構わない。脱ぎたいんだ」
「誰かに見られちゃうかもしれないのに脱ぎたいなんて、ホントボスはエッチだね。どうなっても知らないよ?」
本当はそんな事になったらちゃんと桐山を庇うつもりでいる充だったが、つい意地悪を言ってしまう。
桐山も充の本心を見抜いているからこそ、充を信頼して思い切った事が出来るのだろう。
充は桐山のベルトを外し、ファスナーを下ろすと、桐山の腰を少し浮かせて両足からズボンを抜き取った。
白いブリーフを身に付けた下半身が露になる。
充がそっと太股を撫でると、桐山はハァ、と荒い息を吐いた。
太股を撫でる充の手が内股に近付くにつれ、桐山の吐く息がどんどん荒くなっていく。
「ボス、足開いて」
そう言われ、桐山は僅かに足を開く。
「そんなんじゃ何も出来ないよ。もっとガバッて開いて。いっぱいして欲しいんだろ?」
僅かに開かれた部分に手を滑り込ませ、充が内股を撫でる。
もっと確かな刺激が欲しくて、桐山は今度は大きく左右に足を広げた。
その中心部分には縦長の小さな膨らみがあった。
充がその膨らみの形をなぞる様に指を這わせると、桐山の口から小さな声が漏れる。
犬猫の頭を撫でるように、充はその膨らみを優しく何度も手の平で撫でた。
白いブリーフに包まれたそれは、充に撫でられる度に少しずつだが体積を増していった。
「充…」
「何?」
「下着も…」
「今度はパンツも脱ぎたくなっちゃったの?」
桐山の硬くて柔らかい塊がその形をブリーフにくっきりと浮かび上がらせるくらい体積を増してくると、
桐山は切なげな声で充に訴えた。
下着の上からの愛撫のもどかしさに耐え切れなくなったのだろう。
「充…頼む…」
「ボスがそんなにお願いするなんて、この中どんな事になっちゃってるのかな。どれどれ?」
ペロッと下着を捲って中を覗き込むと、透明な露でヌルヌルになっている桐山のペニスの先端が見える。
「濡れてるよ…パンツの上から触ってただけなのに、すっごいヌルヌルになってる。こんなだから、パンツも脱ぎたいの?」
桐山は充を急かす様にコクコクと頷く。
「じゃあ、おねだりしてみて?」
「…下着、脱がせてくれ」
「下着じゃなくて、パンツって言って」
「パンツ…脱がせてくれ」
「もうちょっと、俺が脱がしたくなるように言ってみて」
そう言われた桐山は、こういう場面での知識に乏しいなりに一生懸命考えて口を開いた。
「充…俺のパンツ脱がせてくれないか? 頼む…」
意識してやった訳ではないが、桐山は後ろを向いて目を潤ませながら哀願した。
その予想以上の反応に満足したのか、充は意地悪を止めて桐山の下着を脱がせてあげた。
小振りだが、ピンク色の先端を空に翳す様に反り返っている桐山のペニスが太陽の元に晒される。
「こんな所で下半身スッポンポンになっちゃったね」
充に言われ、桐山が恥ずかしそうに俯く。
「ここまでしてあげたんだから、後は自分で出来るよね」
「なっ…」
「出来るだろ? いつも自分でやってるようにすればいいんだからさ。ほら、こうやって…」
充は桐山の右手を掴むと、充の手で直接触れられる事を待ち望んで透明の涙を流しているペニスをムリヤリ握らせた。
そして、桐山の手に自分の手を添えたまま上下にゆっくりと動かす。
「充…どうして充がしてくれないんだ?」
「これで十分気持ちいいかと思って。こうしたかったんだろ?」
「や…違…あっ…」
「違わないよ。だってボス感じてるもん。ヌルヌルいっぱい出てきてるし」
桐山の先端からトロトロと溢れ出ている透明の涙は二人の手を濡らし、ペニスを扱く潤滑油となっていた。
ペニス全体にそれが行き渡ると、手を動かす度ににちゃにちゃと恥音を立て始める。
「イキたかったらいつでもイッていいからね。ボスのセーエキ、飛ばないように俺が手で受け止めてあげるから…」
「みつ…充がして…頼む…」
「俺に触って欲しいの? じゃ、こっちしてあげる」
充は空いていた手を前に回すと、桐山の胸の突起を弄り始めた。
「ココ、好きだろ? ココがいいんでしょ?」
桐山は喘ぎながら首をフルフルと横に振って否定する。
「ボスってば顔真っ赤にしちゃって可愛いv」
目を潤ませて充からの直接的な愛撫を欲しがっている桐山の頬に軽く口付ける。
そのまま耳や首筋、こめかみに口付けながら愛撫を続けた。
しばらくして、欲望を吐き出したくて堪えきれなくなったのか、桐山のペニスがヒクヒクと痙攣し始めた。
充は胸の突起を愛撫していた手で桐山のピンク色の先端を包むように握ると、サオを扱く手のスピードを上げていった。
「も…イク…は…ぁ…っ!!」
桐山が小さな悲鳴を上げるのと同時に、充の手の平が生温い液体でベトベトになった。
「あ…あぁ…」
体を震わせながら桐山は充の手の中に全てを吐き出していく。
「濃いのいっぱい出たねー」
射精の勢いが落ち着くと、充は桐山の目の前で欲情の証を受け止めた手を広げて見せる。
「ボスのセーエキで汚れちゃったんだから、ボスがキレイにして」
汚れた手を桐山の口元に持っていくと、桐山は何の抵抗もせずに自分の放った白いクリームをペロペロと舐め始めた。
「あ、やっぱ俺もボスのセーエキ舐めたい。一緒にペロペロしよ?」
そう言って、充は舌を出すと美味しそうに桐山の体液を舐めた。
手に付いた精液を全て舐め取った後は、お互いの口の回りを舐め合ってキレイにする。
「自分のセーエキって美味しい?」
「あまり…」
充に聞かれ、桐山は眉を顰めながら答えた。
「それより…さっきから気になってしょうがなかったんだが…」
桐山は充の膝から下りると、先程から自分のおしりの下で少しずつ形を変えていった部分にそっと触れた。
「そこ、触りたい?」
無言で頷く桐山。
「いいよ、触って。ボスが脱がせてくれる?」
「ああ…」
ベルトをカチャカチャと外して、充が少し腰を浮かせた隙にズボンを膝辺りまでずり下ろす。
先程の自分の数倍は膨らんでいるであろう、充のグレーのボクサーパンツの中心部を見て、桐山はホゥ、と溜め息をついた。
下着の上から膨らみにそっと口付ける。
その部分に触れた唇が熱かった。
愛しそうにその膨らみを何度も何度も撫で上げる。
しばらくすると、下着の上端の一部に小さい円の形の濡れ染みが出来たので、桐山は両手で下着を掴むと、
ズルズルとそれを自分の方へ引っ張った。
途中先端に引っ掛かってしまったが、下着もズボン同様に何とか膝辺りまでずり下ろした。
濡れた先端に風を受けて、ひんやりと冷たさを感じる。
「俺も脱いじゃえ」
充は腰を浮かせて膝辺りでくしゃくしゃになっているズボンと下着を脱ぎ捨て、足を大きく開いた。
真昼の屋上で下半身を晒し、少し解放的な気分になる。
遮る物が何もなくなった股間に桐山が顔を近付けてきた。
「大きいな…」
感心したように桐山が言う。
「おっきい? ありがとな。俺のおっきいのはボスだけのモンだからな」
「俺の物?」
「そう、ボス専用。だからボスが好きなようにしていいんだぜ」
「そうか…」
桐山は少し考えた後、両手で充のペニスを軽く握った。
「では、いただきます」
そう言ってパク、と先端を口に含む。
少し塩辛い味がした。
その味がなくなるまで丹念に先端を舐めると、今度は全体に這わせるように舌を動かす。
「あっ…あぁー…」
桐山の舌でサオを下から上へとなぞられる度に、充は掠れた声を上げた。
先端の裏側を舌先でチロチロ舐めながら充を見上げると、目を閉じて口を半開きにして桐山の口技に酔いしれているようだった。
今度は横からはぷっとサオを咥えると、ハーモニカを吹くみたいに口を動かして全体に刺激を与える。
「あっあ、それ凄…いいっ…んっ!」
初めての感覚に、充がいつも以上の反応を見せる。
唇で揉むようにしながら動かすと、充の体が軽く跳ねた。
もっと反応する充が見たくて、今度はちゅっ、ちゅっと吸い上げながら左右に移動する。
「あーもう! どこでそんなテク覚えてくんだよ…ボスのエッチ!!」
桐山に吸われる度に大きく跳ねながら充は堪らず叫んでしまう。
「この前笹川と黒長が見ていた本に書いてあった。二人共それを見て、こんな風にされてみたいと言っていたから、
充もそうかと思ったんだが…良くないか?」
「あ、あいつらボスの前でそんな…」
「良くなかったのか?」
不安そうな顔で充を見つめる桐山。
いつもなら桐山の前で竜平や博が下品な話をするのは許せないのだが、今のは凄く気持ち良かったし、自分を見つめる
桐山の顔があまりにも可愛いので、今回だけは許してやろうと思ってしまう充であった。
「ううん、凄く気持ちいいよ。ねぇ、ボス。もっといっぱいちゅってして」
「分かった…」
充に微笑みながら頭を撫でられ安心したのか、桐山は充のペニスへの愛撫を再開した。
言われた通りちゅっと音を立てながら、充のペニスのあちこちを吸い上げる。
その度に充の口から吐息が零れた。
「ボスゥ…気持ち良過ぎてもう出ちゃいそう…今ボスに俺のミルクいっぱいごちそうしてあげるね…」
切なげな声を上げながら充は自分自身を唇でたっぷりと愛でてくれている桐山の頬を撫でる。
充の先端の切れ込みが半開きになってくると、桐山は愛撫を一旦止め、ツノのような先端を口に咥えた。
そして射精を促すようにサオの中心辺りを軽く扱く。
「イッ…ク…い…い…あぁ…アァ〜!! 」
桐山の頭を撫で続けていた充の手が止まり、自分の股間に押さえつけるように力が篭る。
次の瞬間、桐山の口の中に青臭い雄の味が広がった。
あっという間に口内に溜まった白濁液を少しずつ喉の奥へと流し込む。
サオを扱いて尿道に残った液まで飲み込むと、汚れた先端を舌でキレイに舐め取ってペニスから口を離す。
充はまだ射精の余韻に浸っているのか、目を閉じたままハァハァと荒く息を吐いていた。
「自分の精液の味は美味いとは思わなかったが、充のは悪くないと思う」
口の中に残る充の味を反芻しながら、桐山はポツリと呟いた。
「ホントに? そう言って貰えると何か嬉しいな」
呟きを耳にして、充は嬉しそうに笑うと桐山の頭を優しく撫でた。
「あ、ボスの口の回り汚れちゃってる…」
自分の精液を口にするのは少し抵抗があったが、充は汚れた桐山の口元をペロリと舐めた。
そのまま啄む様なキスを何度か交わす。
キスを交わしながら、桐山の手は再び充のペニスへと伸びていた。
萎えて垂れ下がっているそれを握ると、手の平の中で弄ぶ様に刺激を与える。
「そんな事したら、またおっきくなっちゃうよ?」
「大きくしているんだ」
「下のお口でも、俺のおっきいの味わいたくなっちゃった?」
少しだけ頬を染めて、桐山がコクンと頷く。
「いいよ。下のお口にもたっぷり味合わせてやるからな…だからボス、俺のがまたおっきくなるように、
厭らしい格好でおねだりしてみて」
桐山がその気になっているのをいい事に、充はニヤニヤと厭らしい笑みを浮かべながらそう言った。
「厭らしい格好…」
桐山は充のお願いを聞いて、何か考えているようだった。
しばらくして考えが纏まったのか、桐山は充の方におしりを向けて四つん這いになる。
「充、これでいいかな?」
おしりを高く突き上げながら、顔だけ後ろに向けて充の反応を窺う。
「バッチリ! でも、その前に…」
充は体を起こして先程脱ぎ捨てたズボンを拾うと、手でパンパンと汚れを払い落とし、それを桐山の足元に置いた。
「それだと膝痛くなっちゃうし、擦れて跡が残ると困ると思うから、俺のズボン膝の下に引きなよ」
「でも、それだと充のズボンが汚れてしまうよ」
「ボスの膝が傷付く方が嫌だから…ほら、遠慮しないで」
桐山の足をムリヤリ持ち上げ、桐山の膝の下にズボンを引いてあげた。
「これで膝、痛くないだろ?」
「ああ…済まない」
ズボンが汚れてしまうのが分かっていながら、膝が傷付かないようにと気遣ってくれた充に、
桐山の胸が締め付けられる様に苦しくなる。
「ねぇボス。それじゃよく見えないから、もっと足開いて…」
充に言われ、桐山は何の躊躇いもなく大きく足を開いた。
言われた通りに足を開く桐山は、健気で充になら全てを曝け出してもいい、そう思っているように見えた。
桐山のあられもない姿を見て、充はゴクリと唾を飲み込むとその丸くて白い女の子のようなおしりに顔を近付けた。
「ボスのおしりってキレイだよな…毛とか殆ど生えてないし…凄いスベスベ…」
充がそっとおしりに手を触れると、桐山の体がピクッと反応する。
「特にココ…ツルツルで赤ちゃんみたい」
充は口を大きく開けると、無毛でシワ一つないプラムの様な桐山の陰嚢にしゃぶりついた。
「ひぁっ…んっ…」
口の中で飴を舐めるように袋の中の二つの塊を舌で転がすと、桐山が小さな声で喘ぎながら腰をくねらせた。
一度チュッと吸い上げてから唾液でベトベトになった陰嚢を吐き出すと、そのまま一気に窄まりまで舐め上げた。
桐山の膝がガクガク震える。
指で窄まりを広げ、舌先を挿入する。
そのままくちゅくちゅと舌先を出し入れして、自分を受け入れ易くする為にたっぷりと唾液で濡らした。
桐山のおしりに顔を埋めて、二人が結ばれる場所を丹念に愛撫している内に、充のペニスは元気を取り戻し
大きく膨れ上がっていた。
「ボス、俺のまたおっきくなったから今挿れてあげるね」
充の愛撫のあまりの気持ち良さに両手で体を支えていられなくなったのか、桐山は地面に突っ伏して苦しそうに息を吐いていた。
充は膝立ちになると、先端を濡らす透明な汁を指に絡めて二、三度扱き全体を滑りやすくする。
そして桐山の窄まりを指で広げながらそこに濡れて光る先端を当てがった。
「ほら…俺のおっきいのがボスん中に入ってくよ…」
少しずつ腰を押し進め、桐山の小さな下の口が自分の巨塊を一生懸命頬張っている姿を見つめる。
「み…つる…ハァッ…」
桐山は体に力を入れないように、充の動きに合わせて息を吐き、その巨塊を体内に受け入れていった。
最後に細い腰を両手で掴み、グイ、と自分の腰を突き上げ根元まで桐山の中に収める。
「全部…入ったよ。俺をいっぱい味わってね、ボス」
腰を掴んだまま、最初はゆっくりと腰を動かし始めた。
「アァ…凄く熱いよ…ボスん中…」
「充の…だって、熱…いっ…」
獣と同じ体勢で自分の体をゆっさゆっさと控えめに揺らす。
何だか本当に獣になった様な気分だった。
充は桐山の着ているシャツを引っ張り肩を肌蹴させると、獣になったつもりで桐山の中を掻き回しながら耳朶や
白く透き通るような肩に軽く噛み付いた。
充に噛まれる度に、桐山もあぅ、とかうー、とか獣のような声を上げていた。
獣にしては美しく上品な声だったが。
「ボス…んっ…俺達ケダモノだな」
「ぁっ…どう…して? ぅんっ…」
「だってさ、お腹減ったら飯食って…ハッ…う…食欲満たしたら今度は性欲満たして…」
そこまで言って充は桐山の腰を掴み直すと、今度は自分の腰を桐山のおしりに打ちつけ始めた。
「真っ昼間からこんなサカって…外なのに下半身スッポンポンで交尾して…これってケダモノじゃん?」
興奮しているのか、少し上擦った充の声と、肉と肉のぶつかるパン、パンという音が入り混じって意識が遠くなりかけている
桐山の耳に届く。
「…つるは…じゃない…」
「えっ?」
微かに聞き取れる程の小さな声を耳にして、充は腰の動きを遅めてあまり音が出ないようにする。
「充は…ケダモノじゃない…ケダモノは…膝の心配なんか…しない…」
顔を赤くして、体内の充自身を何度も締め付けながら、桐山は途切れ途切れにそう言った。
「ボス…」
桐山の言葉を聞いて、獣になったつもりで調子に乗っていた自分が急に恥ずかしくなった。
それと同時に、自分をケダモノではないと言ってくれた桐山が堪らなく愛しくて、その細く震える体をギュッと抱き締めた。
「ボス…ごめんね。ケダモノだなんて言って。ボスはケダモノなんかじゃなくて、俺のとっても大事な人だよ」
「俺が…大事な人?」
「そう、俺の…最愛の人」
「充は…俺を…愛しているのか?」
「当たり前じゃないか」
ムリヤリ桐山の顔を自分の方に向かせ、唇を重ねる。
「愛してるよ…」
唇を離し、そのまま耳元に唇を寄せて、自分の中の想いを全てこの言葉に込めて囁いた。
その瞬間、桐山はこめかみから体中に電気が走った様な衝撃を感じた。
「…………ッ……くぅ!!」
何かを考える間もなく、桐山は射精していた。
まるで充の言葉が引き金になったように。
「ちょっ…ボスいきなり…う、ヤバッ!!」
何の前触れもなく突然達してしまった桐山に驚いていた充だったが、急速に狭まる肉壁に刺激され、自分も達しそうになるのを
グッと堪えて桐山の中からペニスを引き抜いた。
桐山の足の間から地面に向かって白い熱水を解き放つ。
ブルブルと体を震わせながら最後の一滴を放ち終えると、まだぐったりしている桐山が汚れた地面に倒れないように
自分の方へ引き寄せた。
「さっき意地悪しちゃった分、今いっぱいボスのを弄ってあげようと思ってたのに、してあげられなくてごめんね」
充は桐山の後ろ髪を指で梳きながら、薄ら汗の滲んだ額に軽く口付ける。

何故、充に愛してると言われた瞬間気をやってしまったのだろう。
何故、今得たオルガズムはいつもとは比べ物にならない程凄かったのだろう。

達した時のあまりの衝撃に未だハッキリしない頭で、桐山は今起こった不可思議な出来事をずっと考えていた。

事が終わり後始末を終えて服を着直した後、5時間目の授業が終わるまでまだ時間があったので、二人でぴったりと寄り添い、
手を握り合いながら予鈴が鳴るまでの時間を過ごしていた。
「なー、ボス。んーってヤツ、どこで覚えてきたんだ?」
先程からずっと気になっていた事を、肩に頭を寄り掛からせ目を閉じている桐山に尋ねた。
「んーって何だ?」
充に声をかけられ、桐山がゆっくり目を開ける。
「目を閉じて、唇突き出すようにしてたじゃん。あれだよ。それと『あーんして』も」
「あれか…少し前に山本と小川が二人で昼食を取っているのを見かけたんだ。その時に小川が山本にやっていた。
今日は充と二人だけだったから、小川と同じ事をしてみようと思ったんだ」
「そっか…」
桐山の答えを聞いて、充はホッと胸を撫で下ろした。
もしかしたら他の誰か…女でも男でもボスにこんな事をしたりさせたりするような存在がいるのではないかと、
少し不安になっていたのだ。
「山本と小川はキスしかしていなかったがな」
「ま、そうだろうね…」
あの二人の関係がどこまで進んでいるかなんて知らなかったし興味もなかったが、二人の性格を考えたら学校でセックスなんて
まずしないだろう。
「充はどうして最後までしたんだい?」
桐山が不思議そうな顔で尋ねてくる。
「ボスがあんな事するのはかなり意外だったし、ボスが可愛過ぎて…勃っちゃったから」
最後の方だけ小声で言って、誤魔化すように桐山の額にちゅ、と口付ける。
充の唇が触れた瞬間、桐山は握っていた充の手を無意識の内にキュッと強く握り締めていた。
「充…」
「何?」
「また二人だけになった時、一緒にここで昼食を取らないか?」
「いいよ。またボスの弁当食べたいな」
「俺も…充の好きなパン、悪くない味だった」
「デザートもまた食べたいな」
耳元で囁くと、心なしか桐山の頬が赤く染まったような気がした。
「構わないよ」
桐山は小声でそう言うと、充の肩に頭を凭れさせ、目を閉じて充の温もりを感じていた。

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※2003年6月に桐山デー&サイト開設一周年記念としてフリーにしていた物で、現在は自サイトで掲載中の作品です。

今回のネタを考えている時、桐沼の方は「私が書く桐沼はいつもただヤッてるだけっぽくなるから、沼桐みたいにラブラブな雰囲気で切ない系の話にしたい」というコンセプトで考えていたので、逆に沼桐は「ラブラブ両想いなのは変わらないけれど、たまにはただヤッてるだけっぽい話もいいかな」と思ってこういう話にしてみました。
でも、いつも書いてるのと大差ないですね(汗)
ホントはフィニッシュ辺りとか、ひたすらエロくする事に徹するつもりだったんですが(とある小道具を使用する予定でした)、
充のケダモノ発言のシーンを書いている時に二転三転して今の形に落ち着いたんです。
結局いつもみたいなオチになったんですが、ボスが充に「愛してる」と囁かれて即イキ&「どうして『愛してる』と囁かれた瞬間イッてしまったのか、どうしていつもより気持ちよかったのか」と考えているボスのシーンを入れる辺り、「やっぱり私は『充を好きなボス』を書くのが好きなんだな」と実感してしまいました。

ボスは山本クンとさくらちゃんがやってるのを見て自分もやってみた、と言っていますが、この二人って学校でキスしたりするタイプじゃないのにさせちゃって申し訳ない気分です(汗)
でも、倉元と好美よりはこの二人の方が一緒にお弁当食べたりしてるかな、と思ったので…
自分で書いておいてなんですが「目を閉じて唇を突き出すように上を向くボス」を想像してめちゃくちゃ萌えてしまいました(笑)



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